2018年12⽉19⽇(水)から、ガールズ演劇カンパニー・アリスインプロジェクトのアドリブ心理劇『ドナー・イレブン』が上演される。それに先立って、2018年12月9日に記者発表会が行われた。
アリスインプロジェクトの 12 月公演は、11人に紛れ込んだスパイを探す心理ゲームが「魔銃ドナー」の世界観の中で展開される。
魔銃ドナーとは
太古より存在する、人類を糧とする吸血の一族、バイツ。
そのバイツを唯一滅する血液【RHマイナスL型】。 その血液を持つ、人類の切り札、ブラッド・ドナー。 ドナーはその血液を銃に込めてバイツを撃つ。 それが魔銃。 そのドナーたちの中に、バイツが紛れ込んでいる。 これは、集められた11人のドナーの中から 隠れたバイツを狩る物語である。(公式サイトより抜粋)
今回、ゲーム系の舞台にアリスインプロジェクトが初挑戦。監修に、なるせゆうせい氏、演出に松多壱岱氏、脚本にアリスインデッドリースクールやクォンタムシリーズなどアリスインプロジェクトの多くの作品を手掛ける麻草郁氏という強力なトリプルタッグにより、舞台「魔銃ドナー」をベー スにした全く新しい感覚のアリスインプロジェクト流のプレイングシアター作品が誕生する。
赤見 清子 役の鈴木真梨耶は、記者発表に少々緊張した面持ちで登場。「実はビビりなんですが、本番中はカッコよくてクールな赤見清子を演じます。楽しみにしていてください」と語っていた。一方で「今回の役は(支部の)リーダー役なので、私がリーダーでいいのかなと。今まで、いろんなところで最年少だったもので」と初めてのポジションに戸惑いを見せる場面もあった。ただ、それを振り切るように「カッコよく冷静に頑張っていきたいと思います。」と改めて自分に気合いを入れている様子だった。
鈴木真梨耶は、2016年6月から今年の6月までの2年間、アメリカ・
柚木 鬼灯(ゆずき ほおづき)役の鈴木友梨耶は、前述の通り、鈴木真梨耶の実の姉。今回、こうして舞台で共演するのも興味深い。役どころは「生意気」で間違っていると思えば上司にも食ってかかるという。かつて妹をバイツに殺されているという設定も、姉である彼女からすると入り込みやすいかも知れない。「アドリブ心理劇ということで、緊張もしていますが頑張っていきます。役自体のイメージはキツい生意気な性格の子ですが、私自身は怖い人間ではないので、怖がらずに見てください」と柔らかな口調で話していた。また、舞台全体については「ゲームの勝ち負けというより、その過程を楽しめる」ものになっているそう。
桃原 牡丹 役の須山朱里。Twitterでは、自らの役どころを「真面目でカッコいいタイプ!」と評していた。実際、桃原牡丹という人物は、任務に忠実で冷静。理性的な判断をする性格だそう。「同じ役で3人いるので、違いを出していけたらいいなと思います」と語っていた。実際、別のキャストが演じる桃原牡丹を稽古で見て、「自分が思っている牡丹とは全く違う、三者三葉」の牡丹が出来上がっていると感じたそうだ。
アリスインプロジェクトの舞台では今年『ダンスラインTOKYO』、『降臨ハーツ』、『ともだちインプット』と立て続けに出演している。今回、アドリブ劇ということで、また違った一面が見られるのではないか。
黄竹 雛菊 役の中江早紀。黄竹は「家族をバイツに皆殺しにされており、全バイツの殲滅を望んでいる。」という設定。また、すべての役の中で最年少(14歳)なので、若い感じを出していこうと話していた。
中江は今年9月にアイドルユニット「天晴れ!原宿」を卒業する際、その理由を舞台に集中するためと話していた。人気グループゆえの忙しさから離れて、今秋はなかなか行けなかった旅行やライブに出かけたそうだが、いよいよ女優としてエンジンをフル回転する時期が来たようだ。来年2月にも舞台出演が決まっており、今後も活躍が期待される。
そして、もう一人黄竹 雛菊を演じる夏野香波。今夏上演された舞台『降臨ハーツ』での好演が記憶に新しいが、今回の黄竹という役は、まったく違う印象になるだろう。冷静な管理官(しかもロボット)から、「好奇心旺盛で身勝手な新人」へ。また、どんなアドリブが引き出されるのかが楽しみ。夏野は「なかなか奥が深い役なので、みんなに伝えられるように頑張ります。」と意気込みを語っていた。稽古が始まった時はゲームの流れがわからず、めった討ちにされていたそうだが、その次の稽古から俄然強くなったと話していた。またプレイしている側も観る側も楽しめるものにしたいと語っていた。
前述の須山朱里と同じ桃原 牡丹を演じる八角瑛子。「舞台に出るのも人前に立つのも一年ぶり」ということで緊張しているとのこと。さらに「今までは、優しい役が多かったんですが、今回は強めで冷静でカッコいい役なので、他の牡丹役の2人に負けないように頑張ります」と話していた。稽古では、冷静な態度でいると「怒ってる?」と聞かれてしまうそうで、それだけ役に入りこんでいるのかも知れない。
そして、記者発表には、脚本を担当する麻草郁氏も姿を見せた。麻草氏は、「魔銃ドナー」の純粋なファンでもあり、今回脚本として参加できることを楽しみにしていたそうだ。また、ゲームやインプロヴィゼーションも好きだという。本作については、「横スクロールのアクションゲームをする時にはストーリーを気にすることはないと思います。でも『バイオハザード』のようなゲームをする時は、ストーリーがあり、自分がクリアするミッションがある。そのルートの取り方で結末が変わる。この作品にもしっかりとした基礎のお話があって、結末があって、真ん中にもドラマがある。その両側のゲームの進行によって、その場でリアルタイムに結末が変わっていく」とのこと。
また、「もはや全員が主役」という発言もあり、「観る方は、自分の推しがゲームプレイをしているという見方をするといいのではないか」との話だった。いずれにしても、ゲームの要素が加わるので普通の舞台とは違った観劇方法になるのだろう。公式サイトに本作の「ルール」が記されているので、観劇の前に一読しておいた方がよさそうだ。
そして、「この作品のカーテンコールはいつもより長い」のだそう。終演後の素に戻った状態での「反省会」が見られるようで、それもまた楽しみの一つとなりそう。
さて、今回も出演は女性キャストオンリーの総勢37名で構成される。重ねて言えば、出演日によって役者が変わっていくスタイルとなっており、リピーターにとっても新鮮さを失わない構成となっている。タイトルの通り、アドリブ劇であり、ゲーム要素あり、マルチエンディングありの予測不可能な舞台になりそう。キャストの発言にもあったように、「全通」して、毎回変化する世界を楽しみたいところだ。
(写真・文: 矢口 明)
出演者集合写真
アリスインプロジェクト2018年12⽉公演 アドリブ⼼理劇ドナー・イレブン公演概要
キャスト
天音/あまりかなり/新木美優/新谷姫加/池澤汐音/ 梅原サエリ/大滝紗緒里/花梨/河井玲奈/
日下部美愛/草場愛/國井紫苑/黒木美紗子/佐藤ゆうき/白宮奈々/鈴木真梨耶/
鈴木友梨耶/須山朱里/太神陽/寺田真珠/中江早紀/夏野香波/西田薫子/
野中美智子/花岡芽佳/花園えりい/針谷早織/雛形羽衣/藤﨑佑莉/舞川みやこ/
真野未華/宮崎優衣/八角瑛子/山本柚月(夢月)/優茉/横尾莉緒/若松愛里
※50音順
配役
蜂屋 蒼 役=山本柚月(夢月) /梅原サエリ/大滝紗緒里
桃原 牡丹 役=八角瑛子/花岡芽佳/須山朱里
柚木 鬼灯 役=鈴木友梨耶/新谷姫加/花梨
黄竹 雛菊 役=夏野香波/中江早紀
赤見 清子 役=針谷早織/鈴木真梨耶/宮崎優衣
菖蒲 真矢子 役=天音/日下部美愛/ 佐藤ゆうき
咲本 小夏 役=優茉/河井玲奈
森川 恵宮 役=白宮奈々/黒木美紗子/池澤汐音
羽佐間 花蓮 役=花園えりい/寺田真珠/雛形羽衣
成瀬 桔梗 役=若松愛里/草場愛/横尾莉緒
成瀬 葛 役=太神陽/藤﨑佑莉/國井紫苑
薮下 巡 役=西田薫子/真野未華
花谷 育子 役=新木美優/あまりかなり
アルベルタ・アーベンシュタイン 役=舞川みやこ/野中美智子/西田薫子
※出演日時順
※配役・出演日程などは公式サイトをご確認ください。
http://aliceinproject.com/
ものがたり
ある日、霞ヶ関に突如呼び出された各署のドナーたち。
立川支部、中央支部、王子支部、亀戸支部。
通達された指令は「潜伏するバイツを探知、処理すること」
伯爵級バイツ、アルベルタから得られた情報はひとつ。
「彼女たちは、自分が何者かをまだ知らない」
果たして選ばれたドナーたちは、
潜り込んだバイツを狩り出すことができるのか?
【スタッフ】
原作・脚本:麻草郁(アリスインプロジェクト)
監修:なるせゆうせい
演出:松多壱岱
「魔銃ドナー」原作:細川博司(バンタムクラスステージ)
企画:鈴木正博
プロデューサー:美濃部慶・西初恵
制作:アリスインプロジェクト
製作:アリスイン株式会社
【ものがたり】
■チケット&スケジュール
【日程】
2018年12月19日(水)~ 30日(日)※全18公演
12 月
19 日・水=19:00
20 日・木=19:00
21 日・金=19:00
22 日・土=13:00・18:00
23 日・日=13:00・18:00
24 日・月祝=13:00・18:00
25 日・火=19:00
26 日・水=19:00
27 日・木=19:00
28 日・金=13:00・18:00
29 日・土=13:00・18:00
30 日・日=12:00・17:00
※ロビー開場・物販開始は60分前。客席開場は30分前
※キャスト変則出演・詳細は後日発表
【劇場】
池袋:シアターKASSAI(110席)
東京都豊島区東池袋1丁目45−2 1F
【チケット】
S 席 6,000 円(最前 1 列・ひな壇最前列・指定席)
A 席 4,800 円(S 席エリア以外・自由席)
カンフェティにて、11月20日(火)お昼12時より、チケット発売。
A席のご入場はチケットに印字されている整理番号順でのご入場となります。
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